説明

グリコPEG化G−CSFを用いた治療方法

本発明は、治療活性があるグリコPEG化G−CSFであって、グリコPEG化されていない同一または非常に類似したG−CSFペプチドに比べて向上した薬物動態パラメータおよび特性を有するグリコPEG化G−CSFを提供する。さらに、本発明は、対象、特に、放射線または化学療法治療を受けたか、受けることになっている対象における造血を動員する方法を提供する。本発明の方法および組成物は、そのような治療における骨髄抑制効果を予防、軽減および治療するために用いることもできる。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドナーにおける幹細胞産生を増加させる方法であって、
前記ドナーに、ある量のG−CSFペプチドと高分子修飾基との間の共有結合共役体であるペプチドであって、前記高分子修飾基がグリコシル連結基を介して前記ペプチドのグリコシルまたはアミノ酸残基において前記ペプチドに共有結合されている該ペプチドを投与することを含む、方法。
【請求項2】
前記高分子修飾基は、水溶性ポリマーである請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記水溶性ポリマーは、ポリ(エチレングリコール)である請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記水溶性ポリマーは、線形水溶性ポリマーおよび分枝状水溶性ポリマーから選択されたメンバーである請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記高分子修飾基と前記グリコシル連結基は、リンカーを介して共有結合されている請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記グリコシル連結基は、修飾されたシアル酸残基を含み、前記修飾されたシアル酸残基は、式
【化1】

の構造を有する請求項5に記載の方法。
(式中、Rは前記高分子修飾基であり、前記高分子修飾基は、前記リンカーを介して前記シアル酸残基に付着されている。)
【請求項7】
前記修飾されたシアル酸残基は、式
【化2】

の構造を有する請求項6に記載の方法。
(式中、nは1〜2000の整数である。)
【請求項8】
前記高分子修飾基は、本質的に均質に分散された分子量分布を有する請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記グリコシル連結基は、式
【化3】

を有する修飾されたシアリル残基を含む請求項1に記載の方法。
(式中、R2はH、CH2OR7、COOR7またはOR7であり、
7はH、置換または非置換アルキル、もしくは置換または非置換ヘテロアルキルを表
し;
3およびR4は、独立してH、置換または非置換アルキル、OR8、およびNHC(O
)R9から選択されたメンバーであり、
8およびR9は独立して、H、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、もしくはシアル酸から選択され;
aは結合、置換または非置換アルキル、および置換または非置換ヘテロアルキルから
選択されるリンカーであり;
16およびR17は、独立して選択される高分子アームであり;
2およびX4は、ポリマー部分R16およびR17をCに接合する独立して選択される連結断片であり;
5は非反応性基である。)
【請求項10】
前記アミノ酸残基は、セリンまたはスレオニンから選択されたメンバーである請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記G−CSFペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列を有する請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記アミノ酸残基は、配列番号1の134位のスレオニンである請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記グリコシル連結基は、
【化4】

から選択されるサブ構造を含む請求項6に記載の方法。
(式中、R15は前記修飾されたシアル酸残基であり;
pおよびqは、独立して0または1から選択される整数である。)
【請求項14】
qは0である請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記グリコシル連結基は、
【化5】

から選択される式を有する請求項6に記載の方法。
(式中、
AAは前記ペプチドのアミノ酸残基であり;
tは0または1の整数であり;
pは1〜10の整数であり;
15は、H、OH、シアル酸、前記修飾されたシアリル残基およびSia−Siap
ら選択されたメンバーであり、
Siapは、前記修飾されたシアリル残基であり、
少なくとも1つのR15は、前記修飾されたシアリル残基およびSia−Siapから選
択される。)
【請求項16】
前記アミノ酸残基はアスパラギン残基である請求項15に記載の方法。
【請求項17】
骨髄移植に対して適格な対象における顆粒球の数を増加させる方法であって、
前記対象に、ある量のG−CSFペプチドと高分子修飾基との間の共有結合共役体であるペプチドを投与することを含み、
前記G−CSFペプチドは配列番号1のアミノ酸配列を有し、前記高分子修飾基は、126位のグリシンから143位のセリンに亘る前記G−CSFペプチドの領域内で前記G−CSFペプチドに共有結合されている方法。
【請求項18】
対象における幹細胞産生を増加させる方法であって、
前記対象に、ある量のG−CSFペプチドと高分子修飾基との間の共有結合共役体であるペプチドを投与することを含み、
前記G−CSFペプチドは、
【化6】

の構造を有し、
式中、qは0または1であり、
Sia−PEGは、
【化7】

の構造を有し、式中、nは1〜2000の整数である、方法。
【請求項19】
nは、400〜500の整数である請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記G−CSFペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列を有する請求項18に記載の方法。
【請求項21】
癌治療に起因する骨髄抑制を予防、治療および軽減する方法であって、
前記癌治療の受け手に、ある量のG−CSFペプチドと高分子修飾基との間の共有結合共役体であるペプチドであって、前記高分子修飾基がグリコシル連結基を介して前記ペプチドのグリコシルまたはアミノ酸残基において前記ペプチドに共有結合されている該ペプチドを投与することを含む、方法。
【請求項22】
前記癌治療は、放射線治療および化学療法から選択されたメンバーからなる請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記高分子修飾基と前記グリコシル連結基は、リンカーを介して共有結合されている請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記グリコシル連結基はシアル酸残基であり、前記シアル酸残基は、式
【化8】

の構造を有する請求項23に記載の方法。
(式中、Rは前記高分子修飾基であり、前記高分子修飾基は、前記リンカーを介して前記シアル酸残基に付着されている。)
【請求項25】
対象における白血球産生不全を特徴とする状態の治療を必要とする該対象における該状態を治療する方法であって、
前記対象に、ある量のG−CSFペプチドと高分子修飾基との間の共有結合共役体であるペプチドであって、前記高分子修飾基がグリコシル連結基を介して前記ペプチドのグリコシルまたはアミノ酸残基において前記ペプチドに共有結合されている前記ペプチドを投与することを含み、
前記ある量は、前記対象における前記状態を改善するのに有効な量である方法。
【請求項26】
前記白血球産生不全は、化学療法、放射線治療、または特発性血小板減少性紫斑病の結果である請求項25に記載の方法。
【請求項27】
哺乳動物における好中球減少症の治療方法であって、
医薬として有効な量のG−CSFペプチドと高分子修飾基との間の共有結合共役体であるペプチドであって、前記高分子修飾基がグリコシル連結基を介して前記ペプチドのグリコシルまたはアミノ酸残基において前記ペプチドに共有結合されている前記ペプチドを投与することを含む、方法。
【請求項28】
哺乳動物における血小板減少症の治療方法であって、
医薬として有効な量のG−CSFペプチドと高分子修飾基との間の共有結合共役体であるペプチドであって、前記高分子修飾基がグリコシル連結基を介して前記ペプチドのグリコシルまたはアミノ酸残基において前記ペプチドに共有結合されている前記ペプチドを投与することを含む、方法。
【請求項29】
培養中の造血幹細胞を拡張する方法であって、
前記幹細胞に、有効量のG−CSFペプチドと高分子修飾基との間の共有結合共役体であるペプチドであって、前記高分子修飾基がグリコシル連結基を介して前記ペプチドのグリコシルまたはアミノ酸残基において前記ペプチドに共有結合されている前記ペプチドを投与する工程を含む、方法。
【請求項30】
対象における造血を増加させる方法であって、
前記対象に、有効量のG−CSFペプチドと高分子修飾基との間の共有結合共役体であるペプチドであって、前記高分子修飾基がグリコシル連結基を介して前記ペプチドのグリコシルまたはアミノ酸残基において前記ペプチドに共有結合されている前記ペプチドを投与する工程を含む、方法。
【請求項31】
対象における造血始原細胞の数を増加させる方法であって、
前記対象に、有効量のG−CSFペプチドと高分子修飾基との間の共有結合共役体であ
るペプチドであって、前記高分子修飾基がグリコシル連結基を介して前記ペプチドのグリコシルまたはアミノ酸残基において前記ペプチドに共有結合されている前記ペプチドを投与することを含む、方法。
【請求項32】
前記造血始原細胞はCD34+細胞である請求項31に記載の方法。
【請求項33】
ドナーにおける幹細胞産生を増加させる方法であって、
前記ドナーに、有効量のG−CSFペプチドと高分子修飾基との間の共有結合共役体であるペプチドであって、前記高分子修飾基がグリコシル連結基を介して前記ペプチドのグリコシルまたはアミノ酸残基において前記ペプチドに共有結合されている前記ペプチドを投与することを含む、方法。
【請求項34】
骨髄の安定した生着を提供する方法であって、
(a)前記骨髄のドナーに、G−CSFペプチドと高分子修飾基との間の共有結合共役体であるペプチドであって、前記高分子修飾基がグリコシル連結基を介して前記ペプチドのグリコシルまたはアミノ酸残基において前記ペプチドに共有結合されている前記ペプチドを投与すること、
(2)前記ドナーから前記骨髄を単離すること、および
(3)前記骨髄をレシピエントに注入すること、を含む方法。
【請求項35】
前記ドナーは、前記レシピエントと同じ個体である請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記ドナーは、前記レシピエントとは異なる個体である請求項35に記載の方法。
【請求項37】
対象における造血始原細胞の数を増加させる方法であって、
前記対象に、
(a)1,1’−[1,4−フェニレン−ビス−(メチレン)−ビス−1,4,8,1]−テトラアザシクロテトラデカン(AMD3100)である、式(1)の化合物を含む第1の組成物と、
(b)G−CSFペプチドと高分子修飾基との間の共有結合共役体であるペプチドであって、前記高分子修飾基がグリコシル連結基を介して前記ペプチドのグリコシルまたはアミノ酸残基において前記ペプチドに共有結合されているペプチドを含む第2の組成物と、を投与することを含む方法。
【請求項38】
前記第1の組成物および前記第2の組成物は、任意の順序で順次投与される請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記第1の組成物および前記第2の組成物は、同時に投与される請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記造血始原細胞はCD34+細胞である請求項37に記載の方法。
【請求項41】
(a)G−CSFペプチドと水溶性ポリマーの間の共有結合共役体であるペプチドであって、前記水溶性ポリマーが、インタクトなグリコシル連結基を介して、前記G−CSFペプチドのグリコシルまたはアミノ酸残基において前記G−CSFペプチドに共有結合されているペプチド、
(b)界面活性剤、
(c)脂肪酸、および
(d)腸溶材料、を成分として含む経口剤形であって、前記成分(a),(b)および(c)は、液相で混合されると共に成分(d)との混合前に凍結乾燥される、経口剤形。
【請求項42】
ドナーにおける幹細胞産生を増加させる方法であって、
前記ドナーに、ある量のG−CSFペプチドと高分子修飾基との間の共有結合共役体であるペプチドであって、前記高分子修飾基がグリコシル連結基を介して前記ペプチドのグリコシルまたはアミノ酸残基において前記ペプチドに共有結合されている前記ペプチドを投与することを含み、
前記ある量は、約1mgから約20mgの範囲である方法。
【請求項43】
ドナーにおける幹細胞産生を増加させる方法であって、前記方法は、前記ドナーに、ある量のG−CSFペプチドと高分子修飾基との間の共有結合共役体であるペプチドであって、前記高分子修飾基がグリコシル連結基を介して前記ペプチドのグリコシルまたはアミノ酸残基において前記ペプチドに共有結合されている前記ペプチドを投与することを含み、
前記量は、25μg/kg、50μg/kg、100μg/kg、および200μg/kgから選択される単位用量である方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−523582(P2010−523582A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−502245(P2010−502245)
【出願日】平成20年4月1日(2008.4.1)
【国際出願番号】PCT/US2008/059045
【国際公開番号】WO2008/124406
【国際公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(509275770)バイオジェネリクス アクチェンゲゼルシャフト (4)
【氏名又は名称原語表記】BIOGENERIX AG
【Fターム(参考)】